こんにちは。きなこです。
英会話を始めたいんだけど、やっぱりネイティブの先生から教わった方がいいのかな。
いいえ、そんなことはありません。
英語をネイティブである必要は特になく、メリットとデメリットがあります。
オンライン英会話、通学の英会話でネイティブ・ノンネイティブ両方から教わったことがあるTOEIC985点取得者のきなこがお話しします。
きなこの英語に関する実績は下記のとおりです。
- 旧帝国大学文学部言語学専攻
- カナダ留学経験あり(1年半)
- TOEIC985点取得
- 英検準1級取得
- IELTS Overall7.0
Listening8.5 Reading 6.5 Writing 6.0 Speaking 6.5※Readingでは最高8.0を得点
主な職歴は公務員ですが、国立大学研究員時代、国際労務担当として海外の労働法調査など行っていた経験があります。
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目次
英会話の先生に求める3つの条件
コミュニケーションとしての英語を教わるのなら、ネイティブの先生にこだわるよりも、以下の三つの方が重要です。
- 高い教養を身に付けている
- 「共通語」としての英語を知っている
- 英語を教える技術を身に付けている
高い教養を身に付けている
第一に、教養がなければ、テーマを掘り下げた討論をしたり、論理が整った議論を行うことがそもそもできません。
言語教育では、ディベートやディスカッションを通して、英語能力を高める教授法があります。
それを行おうとしても、教養がない人では、テーマをうまく設定したり、生徒の議論を掘り下げていくことができないので、効果的に言語能力を伸ばすことができないのです。
「共通語」としての英語を知っている
英語はいまや、国際語です。
世界の人口は推定73億人で、そのうち英語を話す人口は約15億人です。
しかし、75%もの11億人が、第二言語/外国語として英語を習得した非ネイティブなのです。
つまり、非ネイティブとコミュニケーションをとる際の、「共通語」としての性格を持つ英語を知っていなければ、8割近くの人とコミュニケーションを取れないのです。
例えば、ビジネスの場では、昨今、スラングやJargonと呼ばれる業界用語など、非ネイティブが理解しづらい特殊な言い回しは避ける傾向にあります。
特殊な言い回しを多く知っていることよりも、それを避けるように指導できることの方が、コミュニケーションにおいては重要になっています。
英語を教える技術を身に付けている
言語を教えることは実は非常に難しく、スキルが必要です。
英語教授法の知識や理論を身に付けていることは非常に重要です。
この経験からも、「英語を教える勉強をしたことがない人は、突然、効果的に言葉を教えられない」と断言します。
例えば、初級者に教える場合、初級者が習った日本語だけで、教えなければなりません。
想像してみてください。
「あげる ⇔ くれる」の日本語の違いを、ほとんど日本語が話せない外国人にどうやって教えますか?
制限時間もある中、効果的に教えるには、相当の技術と準備が必要です。
そして、日本語に関する深い知識も必要です。
第二言語として何か別の言語を習得した経験があることも、指導の助けになります。
経験がなくても、第二言語を習得する過程の理論を最低限学ぶべきです。
例えば、言語を習得する順番は、一定の決まりがあるという研究結果があります。
Roger Brownは、子供が英語を母語として習得する際に、現在進行形の ing や複数形の s を三単現の s や受動態よりも早く習得するということを発見しました。
こういった知識があれば、生徒に文法を教える順番や時間を割く優先順位が自ずと分かります。
ネイティブであれば、誰でも英語を教えられる訳ではないのです。
英会話をネイティブに教わるメリット
それでは、英会話をネイティブに教わるメリットを説明します。
メリットがある人に特徴があるため、特徴毎に説明することにします。
中学生以下の子ども
言語の習得がスムーズにできるのは一定の年齢制限があるという理論があります。
この年齢制限のことを「臨界期」と呼び、この理論は「臨界期仮説」と呼びます。
臨界期は、12歳~15歳前後という見方が一般的です。
つまり、臨界期の前である中学生までの子どもについては、教師が話す英語を正確に習得できる脳をまだ持っているので、ネイティブから学ぶメリットが大きいと言えます。
英語圏の留学や転勤を予定している人
生活の拠点を英語圏に移す場合には、渡航予定の国の出身のネイティブから学ぶメリットがあります。
留学や海外転勤が該当します。
日常の学校生活やビジネスで、周囲が使う英語を知っていて使えないと、不便が生じる可能性があるからです。
渡航予定の国の出身のネイティブと書いたのは、ネイティブと一口に言っても、国によって英語に違いが生じるためです。
例えば、オーストラリアへ留学に行くのに「ネイティブのアメリカ人から学ぶ」必要性はあまり感じません。
オーストラリア英語とアメリカ英語では、表現の違い、発音やイントネーションの違いが大きいです。
現地での生活のためにネイティブに習うなら、オーストラリア人ネイティブに学ぶべきです。
同様にイギリス英語、アイルランド英語もアメリカ英語とは異なります。
「渡航予定の国の出身のネイティブ」に限定すべきでしょう。
もちろん、アメリカ英語がオーストラリアでは全く通じないということではありませんので、出身国は絶対ではありません。
英会話をネイティブに教わるデメリット
それでは、英会話をネイティブに教わる場合のデメリットをお話しします。
授業料が高くなる
英語圏のネイティブは先進国の出身です。
オンライン英会話スクールの場合、先生は現地で授業をします。
つまり、現地国の賃金水準となるため、当然、フィリピンなどの先生と比べ、英語圏ネイティブの先生は賃金が高くなる=授業料が高くなります。
通学の英会話スクールの場合、そのような差を設けることはありません。
きなこはECCで、アメリカ人、フィリピン人、インド人の先生から教わりました。
当たり前ですが、どの先生から習っても授業料は一緒です。
しかし、通学スクールは当然、オンライン英会話スクールより価格が高いです。
言語の学習において、一番重要なのは「継続すること」です。
一度TOEICで985点を取得していても、仕事などで英語を使う環境から遠ざかれば継続的に勉強を続けないと、言葉が出なくなります。
高い価格で「継続できない」ということになるなら、それは大きなデメリットです。
講師に求められる条件が低い場合もある
もちろん、スクールにもよりますが、ネイティブの講師には非ネイティブほど、学歴や英語教授法に関する知識が求められていないケースがあります。
また、大学で英語を教えている教員の友人から聞いた話ですが、
「優秀な大学院卒で英語教育を専門に学んだ非ネイティブの先生より、
そこそこの大学院卒のネイティブの先生を採用する」
ということが大学の教育現場でさえ、実際にあるそうです。
優秀な英語教師であるネイティブの先生も、もちろんいますが、希望のスクールにきちんとした採用基準があるかどうかは事前に調べておいた方がよいでしょう。
「英語の先生はつまらない」と思っているネイティブの先生から教わるメリットが、非ネイティブの優秀な先生に教わるメリットを上回るか。
英会話の先生に求める3つの条件を読んだ皆さんなら、すぐ分かりますよね。
英会話をネイティブに教わるメリットとデメリット
英会話をネイティブに教わる場合のメリット、デメリットについてお話ししてきました。
英会話の先生に求める3つの条件
- 高い教養を身に付けている
- 「共通語」としての英語を知っている
- 英語を教える技術を身に付けている
英会話をネイティブの先生に教わるメリットがある人
- 中学生以下の子ども
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英語圏の留学や転勤を予定している人
英会話をネイティブの先生に教わるデメリット
- 授業料が高くなる
-
講師に求められる条件が低い場合もある
あなたの目的は、「正確な英語を習得すること」でしょうか?
英語でコミュニケーションを取りたいだけなら、英語圏の英語をマスターする必要はないのです。
オンライン英会話スクールのオススメなど、下記記事でまとめてますので、英語学習の参考にしてください。
長文お付き合いくださり、ありがとうございました。