3度目となる古巣・国立大学への出戻りを果たした私は、第一子にも恵まれ、仕事の充実も手に入れ、幸せそのものでした。
学校事務の時から始めた教員免許取得も、育休中に実習へ通うことで現実に!
しかし、育児休業から復帰した後、非常勤職員ではやりがいだけで仕事が続けられない現実を突きつけられます。
いわゆる「保活」の問題です。
仕事をしながら子どもを育てたい私は転職活動に励みます。
民間企業でも複数内定を得た私が選んだのは、時短勤務が可能な「公務員」の仕事でした。
【2章】TOEIC900点超えの留学から一転、非常勤公務員から地方公務員への道
【3章】学校事務職員になった女がまた公務員を転職して夢を追う
【4章】非常勤専門職ワーママの転職!公務員試験で時短転職 ←今ココ
目次
英語を生かした任期付公務員・専門的な仕事とやりがい
仕事は想像通り、ハイレベルで、英語もフルに生かせるものでした。
私の仕事は、主に複数国の法律事務所の弁護士とやり取りしながら、就業規則や給与制度設計を行う、という非常に特殊な仕事でした。
慣れない法律用語、全く見も知らなかった発展途上国の情勢、英語で弁護士と法律用語交えたテレビ会議、大学の役員教授との間を行き来する毎日・・・
何もかもが初めてで分からない状況。
全てが手探りだけど、専門家として採用された私に大きな裁量が任されている。
その状況を心から楽しみ、自分の中の専門知識が蓄積されていくことを喜びました。
自分が伸びしろいっぱいに引き伸ばされていく感覚が嬉しく、また、意識の高い職員や上司に囲まれ、充実した毎日でした。
国立大学の「役員」は大学教授ですから、一流の法律の専門家と議論をすることになる訳で、毎日勉強になることばかりです。
精神面で充実したおかげが、妊活で苦労していた私も第一子を授かりました。
任期付きの立場でも、育児休業を1年頂き、復職後は、時短勤務もさせてもらえました。
育休中に教育実習!念願の教員免許取得へ
学校事務の時に始めた教員免許の勉強は、4年目に突入していました。
私は、この育休中を機会に、教育実習へ向かうことにしました。
実習校は地元で受け入れ先が見つからず、通信大学の附属校で行うことに。
とはいえ、教育実習の当時、子どもはまだ一歳未満・・・
平日は附属校から1時間程度の場所に住む義母に預け、私はマンスリーマンションを借りて実習に専念することにしました。
初めは「どうやって中学生に注意をしたらよいのだろう?」というところから、始まりました。
個人指導の経験はあったものの、一斉指導は日本語教師養成講座の実習、数回のみだったので、全く自信がないところからのスタートでした。
初日に「先生頑張れ!」と声をかけてくれた生徒。
夢を真剣に語ってくれる生徒。
私の方が色んなことを学ばせてもらい、助けてもらっていると感じる日々でした。
最後の授業では、Read, Look up and sayという種類の発声練習を行っていた時、指示がもたつく私に、ある生徒がかけてくれた言葉。
「先生が『せーの』って号令かけたら、私たちが一斉に発声したらいいんじゃないの?」
教師は生徒に助けてもらいながら、成長していくんだな、そんなことを感じました。
思いがけぬ色紙、個人的なメッセージカードのプレゼント、最終日は号泣の締めくくりでした。
教育という仕事の素晴らしさを再発見し、見事、その年には教員免許も取得!
公私ともに充実した日々を送っていましたが、復職後、非正規の立場ならではの落とし穴があることに気が付きます。
非常勤公務員ワーママと保育園申請
育休から復帰した非常勤公務員の私がはまった落とし穴は、「任期付職員は保育園申請時に不利になる」ということでした。
まず、復職直後、年度途中の1歳児だったので、抽選に漏れ、保育園に入園できず、実母に見てもらうことになります。
しかし、翌年度の保育園申請をしようと思った10月、1年毎の任期の有無が年明け以降に判明する予定だった私は、ふと立ち止まりました。
「求職中」のステータスでしか、申請ができないのです。
1月以降にも二次申請はできますが、10月に一次申請した人が埋まった後の席しか残っていません。
この時、私は非正規のいわゆる契約社員にもたらされる不利益を思い知りました。
これは、正社員と比較すると分かりやすいです。
私が住んでいる自治体の保育園入園選考基準表の基準指数は、
・求職中
就労予定だが、就労先は確定していない
=1点
・私と同じ条件で復帰予定の時短勤務正社員
時短がない場合の就労時間で計算=月160時間以上
=10点
事実、私は10月の一次申請では「1点」が付き、抽選から漏れました。
雇用延長が正式に決定した1月以降の二次申請で小規模保育園で決まったものの、トラブルがあり、途中退園を余儀なくされました。
どんなに仕事で評価してもらっても、
非正規は組織にとってコマである。
子育てをする上で、保育園はなくてはならない存在です。
保活における不利な状況は、非正規という立場の弱さを改めて考えるきっかけとなりました。
仕事と育児の両立を考えた時、やりがいだけでは仕事すら続けられない現実を突きつけられました。
子どもを抱えた私は、また選択の変更を迫られました。
ワーママ転職!民間企業・公務員試験の併願
そこで、私はキャリアプランの変更をすることにしました。
学校事務の時に考えていた選択肢は下記の①、②。
①大学で「留学コーディネーター」などの、教育系専門職
②国際交流業務に関与できる可能性がある大学事務正規職
今は①に近い立場にいます。
しかし、任期付は保育園では不利になることが分かったので、子どもが小さいうちは②に方向転換してみようと思いました。
しかし、海外の人事労務について、専門知識を得た私は、人事労務の仕事や、海外の情報を扱ったりする仕事も面白いなと思うようになっていました。
そこで、転職サイトに登録し、民間企業の転職活動もしながら、公立大学法人の採用試験勉強に励みます。
ワーママ転職のチェックポイント
忙しい育児の合間に、通勤時間などで時間を確保しながら、1年の準備期間を経て、ある公立大学法人の筆記試験に無事合格することができました!
面接ではこれまでの多様な経歴が全て生かせるという点や大学の事情に詳しいことをアピールし、合格を手にすることができました。
最終的には、下記の点を重視して、内定した民間企業と比較した結果、公立大学法人を選ぶことにしました。
- 転職直後から可能な時短勤務
- 採用日から付与される年間20日の有給休暇
- 有給とは別途ある子どもの看護休暇
- 提示が一番高かった給与額
- これまでの経験を生かせる仕事
「経験を生かせる仕事」というポイントは、急な休みが増えたり、育児だけでも大変だから、未経験分野だと、成果を出せないと思ったためです。
10月頃、内定をもらったので、保育園の一次申請に間に合い、希望の園に4月から入園が決まりました。
また、内定後、4月からの時短勤務の希望について、正式に内諾をもらい、これで何もかもうまくいく、と、合格後の私は希望に満ちていました。
公務員試験で時短転職のまとめ
非正規公務員型専門職の経験
・英語と公務員経験の掛け合わせで専門性の高い仕事に
・海外出張、英語での議論など充実した日々を送る
育休中の教育実習
・教師は生徒に助けられ、学ぶ日々だということを実感
・生徒と心通い合わせる素晴らしさを最発見
非正規公務員型専門職を経て分かったこと
・精神面の充実は妊活によい効果をもたらす
・非正規公務員は保活の上で、不利に扱われる
・子どものいる女性は柔軟なキャリアプランの変更が幸せへの一歩
ワーママ公務員転職を経て分かったこと
・ワーママでも隙間時間を有効活用して、試験勉強はできる
・女性が働く制度は公務員組織が整っている
・採用(転職)直後から時短勤務することも制度上、可能