こんにちは。
元ワーママ公務員のきなこです。
「今の会社は全然有給休暇使えないけど
公務員になったら有給取得できるのかな・・・」
本日は、人事担当、国立大学で海外法人の就業規則作成を担当していた
労務に詳しい元公務員のきなこが公務員の有給休暇事情についてお話しします。
ぶっちゃけ、公務員の有給休暇は労働基準法の規定よりも手厚いです。
また、自治体によっては「子供の授業参観参加」のために使える休暇もあるなど、種類が豊富。
ここでは、公務員の有給休暇の種類や取得状況などの裏側も大公開!
公務員へ転職考えている方はぜひ参考にしてください。
目次
公務員の有給休暇は年間最大40日!?
まずは公務員の有給休暇についてご説明します。
公務員の有給 年間付与日数はどう違う?
公務員の有給休暇は年間20日付与されます。
民間企業は、労働基準法が適用されます。
(※公務員も労基法が無関係という訳ではないのですが、
公務員のための法律が存在します。)
労働基準法より手厚い規定がある会社もありますが、
法律は次のような定めになっています。
勤続年数 | 0.5 | 1.5 | 2.5 | ・・・ | 6.5 |
付与日数 | 10 | 11 | 12 | ・・・ | 20 |
途中までの表を一目でみて分かる通りですね。
公務員の有給 新入社員はいつから取れる?
公務員の場合、自治体によって異なります。
毎年、4月1日に有給を付与する場合は20日、
1月1日に付与する場合は15日です。
(※後者は、翌年の1月1日から20日が付与されます。)
民間企業の場合、有給付与は雇い入れの日から半年経過後10日が法定です。
公務員の有給 消化できなかった場合は?
公務員には消化できなかった有給休暇を
組織が買い取る制度は一般的に言えば、ありません。
(昨今、改革進めてる自治体もあるので、少数ながらあるかもしれません)
しかし、消化できなかった場合は20日を限度に繰り越しができます。
つまり、最大有給が年間40日という状態がありえる、ということです。
公務員の有給 そもそも消化できるの?
前項で繰り越しの話が出ましたが、
「そもそも有給消化ってできるの?」と疑問に思った方もいるでしょう。
結論から言うと、「部署によって差が激しい」です。
私が勤めていた組織(国立大)では、「財務系は取りづらい」、
「庶務系は取りやすい」といった文化の違いがあったりしましたし
また仕事量の差も部署間で激しい場合があるので、
仕事量が多すぎて、物理的に取れないという部署も見たりしました。
ですので、元も子もない言い方ですが、「配属先や上司によります」。
総務省の統計資料を見てみましょう。
平均取得日数は下記のとおり。
政令指定都市に余裕がある傾向ということが分かります。
都道府県 | 指定都市 | 市区町村 | |
取得日数(日) | 12.3 | 14.0 | 11.0 |
※総務省発表「地方公務員における働き方改革に係る状況」
(令和元年度地方公共団体の勤務条件等に関する調査結果の概要)
なお、民間企業と国の取得日数を比較すると、
民間企業が10.1日であるのに対し、
国(国家公務員)は14.9日でした。
従って、民間企業よりも公務員の方が有給休暇は使いやすい傾向にあると言えます。
有給休暇以外にも?お給料がもらえる公務員の休暇
次に、有給休暇以外の、お給料をもらいながら休める休暇制度をご説明します。
特別休暇
特別休暇自体は会社にも存在します。
ただし、法律で決められた制度ではないので、会社によってバラバラの対応になります。
公務員も国や自治体ごとの法律や条例の定めによりますが
下記のような事由が一般的です。
これらの日に休んでも「給料は差し引かれない」=「有給」ということで、
有給休暇と似ていますが、該当する理由じゃないと休めないということですね。
なお、年間付与される日数は、それぞれの自治体によって異なりますが
私が過去勤めた3組織の状況を元に一般的と思われる日数を記載しました。
・忌引休暇 親族との関係による
・夏季休暇 5日間
・ボランティア休暇 5日間
・結婚休暇 5日間
・育児に伴う授乳のための休暇 一日2回30分以内
・出産休暇 産前8週、産後8週
・妻の出産に伴う休暇 2日間
・子の看護休暇 子一人につき、5日間
・生理休暇 必要な日数分
など
冒頭で紹介した「子供の授業参観など、学校行事で休める制度」は、「特別休暇の中の『家族休暇』」で定めているケースが過去勤めた私の組織ではありました。
公務員にお盆休みはない!?
ちなみに、「夏季休暇」と書いているので、誤解している方もいるかもしれませんが
公務員に「お盆の一斉休業」はありません。
例えば6~9月(※組織によって異なる)の間のいずれか、
5日間(3日と2日に分けてもOK。連続が推奨される自治体も増えてきた)取得するという制度になっています。
お盆は多くの職員、特に育児世代の職員は休みたい時期なので、
若手のうちはお盆に休みづらいといったことはあるかもしれません。
留意が必要です。
病気休暇
休職とは別に、「有給」で休みが取れる制度になります。
私が勤めていた組織で、ある一つは年間の制限日数は特に設けられていませんでした。
ただし、90日連続以上は取得が不可能でした。
また、30日を超えない範囲で、また同じ病気で休みに入った場合、前回同じ病気で休んだ日数と総計して90日まで、という定めでした。
なお、この病気休暇の取得日数が一定数以上であると、
ボーナスの査定に影響が出てきます。
民間企業ではこの休暇が定められておらず、初めから休職扱いという会社もあるので、
病気に関しては、非常に手厚い定めが公務員にはあると言えます。
病気休職
病気休暇の話が出てきたので、休職の制度についても触れます。
通常、病気休暇を90日取得しても復帰できなかった場合、休職へと移行します。
休職は最大三年間取得が可能。
初めの一年間は、病気休職中も80%の給与が支給されます。
また、次の二年間、給与としては無給になりますが、共済組合という健康保険を扱う団体から給与の2/3に当たる額が補填されます。
民間企業は、会社によって公務員のような制度を設けているところもありますが、
法定の通りだと、1年6か月傷病手当金(給与の2/3)が支給されます。
公務員の育児休暇や育児休業
育児にまつわる休業や休暇、職場環境については改めて、こちらにまとめました。
各種休暇が取りやすい公務員になりたい!
最後に、本記事を読んで、公務員を独学で目指してみたいなと思ったあなたは
こちらで参考書や勉強法をご紹介していますので、ぜひ参考にしてください。
公務員の有給休暇って?消化できるの?まとめ
公務員の有給休暇についてまとめました。
公務員の有給休暇
■年間付与日数はどう違う?
公務員は通常、年間20日
民間企業は例えば、勤続半年で10日
■新入社員はいつから取れる?
公務員は初日から20日、または15日
民間企業は雇い入れの日から半年経過後10日
■消化できなかった場合は?
組織が買い取る制度は一般的にない。
しかし、20日を限度に繰り越し
■そもそも消化できるの?
「配属先や上司による」
平均取得日数は下記のとおり。
都道府県 | 指定都市 | 市区町村 | |
取得日数(日) | 12.3 | 14.0 | 11.0 |
民間企業が10.1日であるのに対し、
国(国家公務員)は14.9日
公務員の方が有給は使いやすい。
有給休暇以外にも?お給料がもらえる公務員の休暇
■特別休暇
一般的にはこんな感じ
・忌引休暇 親族との関係による
・夏季休暇 5日間
・ボランティア休暇 5日間
・結婚休暇 5日間
・育児に伴う授乳のための休暇 一日2回30分以内
・出産休暇 産前8週、産後8週
・妻の出産に伴う休暇 2日間
・子の看護休暇 子一人につき、5日間
・生理休暇 必要な日数分
※ただし、公務員にお盆の一斉休業はない。
病気休暇
組織によって異なる可能性があるが、
筆者の経験の一つの組織では年間の制限日数は特になし
ただし、90日連続以上は取得が不可能。
※クーリングオフ制度もあり
ボーナスの査定にも影響が出る。
民間企業ではこの休暇が定められていないこともあり
公務員の方が手厚い。
■病気休職
公務員の休職は最大三年間取得が可能。
初めの一年間は、病気休職中も80%の給与。
次の二年間、給与の2/3に当たる額が補填されます。
民間企業は、法定の通りだと、
1年6か月傷病手当金(給与の2/3)
■公務員の育児休暇や育児休業
別途まとめ
公務員の福利厚生は手厚い、とよく言われますが、
有給休暇の日数や付与条件、休暇制度の充実が一つの理由です。
お休みが全てではありませんが、働く上で重要な要素でもあります!
公務員を目指す方はぜひ参考にしてください。