こんにちは。元ワーママ公務員のきなこです。
公務員って9時5時で帰れるの?
ええっ?公務員は不夜城って聞いたけど??
結局どっちが本当なんだ??
今日は公務員の残業実態についてお答えしたいと思います。
目次
公務員の残業実態(国家・地方公務員の比較)
それでは、国家公務員・地方公務員の残業(超過勤務)を比較しましょう。
国家公務員 人事院発表の平成30年度 年次報告書
地方公務員 総務省発表の地方公務員の時間外勤務に関する実態調査結果(H27)
1か月あたりの平均残業時間
本府省・本庁 | 出先 | |
国家公務員 | 29.2時間 | 16.8時間 |
地方公務員 県 | 18.6時間 | 8.8時間 |
地方公務員 政令指定都市 | 19.2時間 | 12.0時間 |
地方公務員 県庁所在市 | 16.5時間 | 9.8時間 |
出先の方が残業量は少ない、という傾向が分かりますね。
地方公務員の時間外勤務に関する実態調査結果によると、出退勤の把握方法が↓です。
タイムカードなど客観的な記録 25%
任命権者の現場確認 30%
職員からの自己申告 44%
つまり、地方公務員で言えば、74%の中にサービス残業が隠れている可能性が大です。
国家公務員も同様のことが言えます。
きなこは国家公務員の出先機関である「国立大学法人」に勤めていましたが、
☑タイムカードなし
☑出退勤の時間はエクセルで月1回まとめて事後報告
☑上司がエクセルを確認して署名するが
実際の勤務時間と照合しているかは不明
こんな感じでした。
月80時間の残業を超えると、産業医と面談をしなければならないので、この面談を回避したくて、わざと少なめに申告していると言っている職員もいました。
霞が関の官公庁街には深夜タクシーが並ぶ(帰宅の職員待ち)
タクシーチケットが一般職員にも配られる
国立大学勤務時代、中央省庁に出向していた職員から聞きました。
一日平均1~2時間で収まる、というのは、実態からかけ離れています。
ちなみに、民間企業は、厚生労働省発表(H27)によると、14.5時間です。
これは雇用主からの報告になります。
しかし、Vokersの調査レポートVol.4| (2007年~2014年約6万8000件のデータ)によると、平均47時間とのこと、客観的なデータでないと、実態が把握しにくいということが言えます。
公務員の残業が多い理由
それでは、公務員の残業が多い理由について説明しますね。
議会対応
霞が関(国家公務員の本府省)は国会、地方公務員なら県議会・市議会ということになりますが、議員や大臣(知事・部長)の答弁の準備や調整に膨大な時間を費やします。
一つの国会の流れの例で説明します。
- 職員待機 ※全課を待機させるケースもあり
- 質問する予定の議員から「質問通告」(質問する内容)を、各省庁に照会
※平均20時41分頃
- 国会業務の司令塔の課から、筆頭課の担当者へ議員に質問内容を伺うよう指示
- 担当者と議員で質問内容をすり合わせ
- 担当者が○○省へ戻り、質問内容を国会業務の司令塔へ登録
- 国会業務の司令塔が答弁を担当する局・課を決定
※平均22時40分頃 - 担当する課で答弁資料作成
- 答弁資料提出、大臣等への説明(レクチャー、レク)
通常業務に加えて、その対応が加わるので、職員の負担は大きなものになります。
なお、出先機関の職員は議会対応の仕事はありません。
出先と中央の残業時間の違いは、国会・議会対応の有無とも言えます。
改革のスピードが遅い
公務員組織は硬直的です。
法律でしばられ、簡単に変えられないこともあったり、資料は市民に情報公開しなければならないので、文書を管理する方法が厳格に定められていたり・・・
非効率だと思えても簡単に改善できない事情があるのは民間企業と大きく異なります。
それに加えて、硬直的な組織にいると、やはり働く人も硬直的な思考になってしまう傾向にあります。
なので、上司に改善を提案したところで、
「前年度と変えて何か問題が起こったらどうするんだ?」
と却下されてしまうことはよくあることです。
セキュリティの関係で外部の民間企業とメールできるPCが課に一台しかない、というような市役所もあり、外部とメールするために、職員が列を作っているそうです。
きなこも学校事務で似たような経験をしました。
教員一人一人にメールアドレスが割り当てられていなかったので、学校に届くメールを全て紙に打ち出し、回覧するのです。
業務が減らせない
改革のスピードが遅いこととも関連しますが、簡単に業務が減らせません。
「前年度踏襲」が考え方の基本にあるので、一つの成果が出ていない事業をやめようと思っても、「やめて問題が起こったらどうするんだ?」とまず、上司が反対します。
また、関連する団体への根回し・調整も大変です。
内部の反対、外部の反対・・・
想像しただけで心が折れます。
そして、行政職は3年に一回位異動しますから、
「中止は私がいる時じゃなくてもいいか。問題が出た時で・・・」
こういう気持ちになってもおかしくはないでしょう。
組織の風土、関連団体への調整の難しさ、異動の頻繁さ。
トリプルパンチで「あまり意味がない」事業が続いてしまう現実があります。
当然その分、マンパワーが取られて、残業が増えてしまうことにつながります。
育児中の公務員(ワーママ)の残業実態
育児中の職員は子どもの年齢によっては「育児短時間勤務」制度がありますので、その場合は短時間の勤務ですから、当然残業もある程度配慮されます。
部署によって、外せない業務がある場合は、残業や休日出勤も時にはありますが、配慮がゼロということは、まずないでしょう。
https://workmom.biz/koumuin-syurui-josei/
公務員の残業実態まとめ
公務員の残業実態についてまとめます。
公務員の残業実態
国家公務員 > 政令指定都市 > 県 > 市
本府省・本庁 > 出先
公務員の残業が多い理由
議会対応
改革のスピードが遅い
業務が減らせない
育児中の公務員(ワーママ)の残業実態
育児短時間勤務制度などを取得し、配慮してもらえる
男性職員で短時間勤務を取得する例もある
長く勤める上で残業は重要なファクターになりますので、ぜひ参考にしてください。
今回も長文お付き合いくださり、ありがとうございました。